以下は毎日新聞からの引用である、大阪府と大阪市が進めている「教育基本条例案」「職員基本条例案」を逐次追っていると、関連情報が増えるばっかりで、このあたりで一旦区切りをつけたいと思い一度に掲載した。現在大阪維新の会が何をしようとしているかは以下の記事で大体わかってきたように思える。要は教職員の規律遵守を質そうとしており、その象徴的存在が君が代の起立斉唱である。そしてこれに3回違反したら分限免職にするということである。ではこれで教育現場から不正行為がなくなるのかという事例を明日掲載しようと思っている。
大阪維新の会が大阪府議会に提案している「教育基本条例案」「職員基本条例案」の修正案を巡る協議が8日、府と大阪市の府市統合本部であった。君が代の起立斉唱を想定して「同一の職務命令に3回違反すれば標準的な処分は分限免職」とする教職員の処分規定など、主な条項が決まった。橋下徹市長と松井一郎知事はそれぞれ2月議会に提案する。維新が過半数を占める府議会では成立する見通し。過半数に届かない市議会では、他会派の賛同を得られるか不透明だ。
教職員を含む職員の処分と評価は、職員基本条例案で規定した。このうち教職員の評価は、生徒や保護者の声を反映させることを条件に維新案の相対評価を絶対評価に変更、「2年連続最低評価は分限免職の対象」とする条項も削除した。不適格教員について保護者が学校に申し立てられる仕組みを作るほか、校長にボーナスの査定権を与える。 協議では、中西正人・府教育長が1月の君が代起立斉唱を巡る最高裁判決を挙げて「不起立の回数だけで重い処分にするのは許されない」などと主張した。
これに対し、橋下市長が「繰り返し違反する人を公務員にしておいていいのか。研修をしてもルールを守らない人を学校現場に戻すのか」と反発。最後は「3回目の違反がないように教育委員会に研修してもらえばいい」と押し切り、「1回目と2回目の違反後に指導研修を受けても3回目の違反をすれば分限免職」を標準的な処分基準にすることを決めた。
一方、教職員を除く職員の評価については、府市の職員側が「各部局間で公平な評価が不可能」として絶対評価にするよう主張した。しかし、松井知事と橋下市長は「組織を律していくのに不可欠」として、維新案の相対評価を譲らなかった。試行期間を設け、13年度から導入する。
相対評価の分布割合について、松井知事は「S(5%)、A(20%)、B(60%)、C(10%)、D(5%)」とする維新案に沿った形にする考えを示したが、小西禎一・府総務部長は、試行期間中に検討するとした。また、全部長ポストへの公募制導入のほか、組織改廃で生じた余剰人員を分限免職できる規定も盛り込んだ。
以下は大阪府教育基本条例案の前文と目的及び基本理念である。今回これを取り上げたのは、橋本市長と石原都知事が面談した時に、文化省から否定的な見解を受けたこの条例案が話題になったことで何がしかの動きが出てくるのではないかと思ったからである。
江戸時代は、教育は地方の藩が独自に行っていたが、明治政府ができてから中央政府主権を国民に浸透させるために国家的教育は必須となった。これはそれまでの地方分権から国家主権への改革であるが、それは従来の地方分権では個別に簡単に撃破されることを体験したことで、他の列強国家と対等に外交交渉するためには、富国強兵が必須条件となり、必然的に中央集権的教育に移行せざるを得なかった。そして敗戦後日本国家は占領体制で国家の主体性を失い、徹底的に中央集権的教育は排除されたが、そうかといって地方分権の教育も行われなかった。戦後生まれたばかりの教育を受けた私は、当時行われていた政治に関わる教育を受けた記憶がほとんどなかった。
そのようなことはさておき、参考までに朝日新聞2009年6月7日からの引用である、1948年に教育委員会が設置されたときは公選制であったが、1956年に任命制に変更された。そして1986年「近年の校内暴力、陰湿ないじめ、いわゆる問題教師など、一連の教育荒廃への各教育委員会の対応を見ると、各地域の教育行政に責任を持つ『合議制の執行機関』としての自覚と責任感、使命感、教育の地方分権の精神についての理解、主体性に欠け、21世紀への展望と改革への意欲が不足しているといわざるを得ないような状態の教育委員会が少なくないと思われる」という厳しい指摘がなされた。そして教育行政への責任と主体性の欠落という状態を踏まえて今日に至っており、果たして公選制でそれが払しょくされるかどうかは判らないが、一つの手段と思える。また教育基本条例前文に記載しているように議会と首長が教育行政に関与するのも一つの手段と思える。そして現在の教育行政の閉鎖性を打破して、住民にもっと教育内情を示すことが重要であろう。そして極論をするなら、教育の自立なくして個人の自立はないといいたい。
名古屋市の河村たかし市長は26日、来年から市教育委員会の改革に取り組む考えを示した。選挙で地域ごとに教育委員を選んでいる米国の例を参考に、「名古屋モデル」を作る。河村市長は「来年の最重要テーマの一つになる」と話している。
河村市長は同日、市立小中学校PTA協議会のあいさつで、米国の教育委員会について「中学校区ぐらいの単位で委員を選挙で決め、学校をどう作るか、学期をいつ始めるかを話し合って決めている」と紹介し、「来年から自主的に自分たちで決めるような取り組みを作りたい」との考えを示した。
河村市長は、市長選のマニフェストでも教育委員会の他に地域住民による運営協議会の設置を掲げていた。市教委の権限を中学校や小学校の校長に移譲し、地域の代表で組織する運営協議会と共に学校を運営するという。現在、市は予算の一部を地域ごとに選挙で選ばれた委員が決める「地域委員会の創設」を進めているが、教育分野でも同様の制度をつくる方針。河村市長は、報道陣に対し「教育について住民みんなが決める制度を作り、一番大事な教育をもっと盛り上げたい」と話した。
教育基本条例前文
大阪府における教育行政は、選挙を通じて民意を代表する議会及び首長と、教育委員会及び同委員会の管理下におかれる学校組織(学校教職員を含む)が、法令に従ってともに役割を担い、協力し、補完し合うことによって初めて理想的に実現されうるものである。教育行政からあまりに政治が遠ざけられ、教育に民意が十分に反映されてこなかった結果生じた不均衡な役割分担を改善し、政治が適切に教育行政における役割を果たし、民の力が確実に教育行政に及ばなければならない。
教育の政治的中立性や教育委員会の独立性という概念は、従来、教育行政に政治は一切関与できないかのように認識され、その結果、教員組織と教育行政は聖域扱いされがちであった。しかし、教育の政治的中立性とは、本来、教育基本法第14 条に規定されているとおり、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育」などを行ってはならないとの趣旨であって、教員組織と教育行政に政治が関与できない、すなわち住民が一切の影響力を行使できないということではない。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、第23条及び第24条において、教育委員会と地方公共団体の長の職務権限の分担を規定し、教育委員会に広範な職務権限を与えている一方、第25条においては、教育委員会及び地方公共団体の長は、事務の管理・執行に当たって、「条例」に基づかなければならない旨を定めている。すなわち、議会が条例制定を通じて、教育行政に関与し、民意を反映することは、禁じられているどころか、法律上も明らかに予定されているのである。
大阪府における教育の現状は、子どもたちが十分に自己の人格を完成、実現されているとはいい難い状況にある。とりわけ加速する昨今のグローバル社会に十分に対応できる人材育成を実現する教育には、時代の変化への敏感な認識が不可欠である。大阪府の教育は、常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に対応できるものでなければならない。教育行政の主体が過去の教育を引きずり、時宜にかなった教育内容を実現しないとなれば、国際競争から取り残されるのは自明である。
我々は、我が国の未来を担う子どもたちの適切な教育を受ける権利に対して責任を負うことを自覚し、この条例を制定する。
第1章 目的及び基本理念
(目的)
第1条 この条例は、教育基本法(平成18年法律第120号)、学校教育法(昭和22年法律第26号)、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162 号。以下「地方教育行政法」という。)その他国の法令が定める教育目標を大阪府(以下「府」という。)において十分に達成するべく、これらの法令を補完することを目的とする。
(基本理念)
第2条 府における教育行政は、教育基本法第2条に掲げる目標のほか、次の各号に掲げる具体的な教育理念に従ったものでなければならない。
一 個人の自由とともに規範意識を重んじる人材を育てること
二 個人の権利とともに義務を重んじる人材を育てること
三 他人への依存や責任転嫁をせず、互いに競い合い自己の判断と責任で道を切り開く人材を育てること
四 不正を許さず、弱者を助ける勇気と思いやりを持ち、自らが社会から受けた恩恵を社会に還元できる人材を育てること
五 我が国及び郷土の伝統と文化を深く理解し、愛国心及び郷土愛に溢れるとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する人材を育てること
六 グローバル化が進む中、常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に迅速的確に対応できる、世界標準で競争力の高い人材を育てること
以下は朝日新聞からの引用である、前原政調会長が公務員の分限免職を適用して人件費削減を目指すというので、それに相当すると思われる文書を調べたところ処分という言葉はあるが免職という言葉はないが、国家公務員法第78条には免職という言葉がある。しかしここで記されている分限処分は、民間企業の就業規則に相当する。そしてそれは企業が通常状態で起こったときに適用される、社員個人に対応した規則である。しかし現在公務員が置かれている状態は収入をはるかに超える支出をまかなうために大量の借金で何とかやり繰りしている、いつ倒産してもおかしくない超不良会社に相当する。通常そのような状態に陥った民間会社は非常手段をとる、例えば給与の大幅カットや特別人員対策として大量の退職を強いることになる。しかし公務員には非常事態に対応したこのような手段が何ら規定されていない。その挙句窮余の策として消費増税に依存するとしているが、これは本末転倒であって、まずは公務員の身を切ることが先決ではないかと思う。
民主党の前原誠司政調会長は25日、フジテレビの番組で、「公務員をどう合理化していくか。(公務員法の)分限免職の規定に免職できると書いてある」と述べ、民間企業の解雇にあたる分限免職を公務員に幅広く適用することで、人件費削減を目指す考えを示した。
前原氏は来年度予算が4年連続で借金が税収を上回る事態になったことについて、「異常な予算の組み方で、長くは続かない。(分限免職の規定を)発動しなかったら(公務員の)地位だけ保持して国がつぶれる、地方がつぶれることになる」と指摘した。
民主党は公務員人件費を削減する法案の成立を先送りしており、前原氏には消費増税の議論とあわせて人件費に切り込む姿勢を示す狙いがある。ただ、公務員労組を抱える連合などの反発が予想される。
分限処分に当たっての留意点等について
(平成21年3月18日人企―536)
(人事院事務総局人材局長発)
職員の分限処分については、国家公務員法(昭和22年法律第120号)(以下「法」という。)第74条から第81条まで、人事院規則11―4(職員の身分保障)(以下「規則」という。)及び「人事院規則11―4(職員の身分保障)の運用について(昭和54年12月28日任企―548)」(以下「運用通知」という。)のほか、下記のとおり、留意点等について整理しましたので、平成21年4月1日以降、これによってください。各府省等におかれては、これを参考として、引き続き、分限制度の趣旨に則った対処に努めていただき、公務の適正かつ能率的な運営のより一層の確保をお願いいたします。
なお、「職員が分限事由に該当する可能性のある場合の対応措置について」(平成18年10月13日人企―1626人材局長通知)は廃止します。
Ⅰ 勤務実績不良及び適格性欠如の場合の留意点(法第78条第1号及び第3号関係)
1 規則第7条第1項第2号の勤務実績不良又は同条第3項の適格性欠如と評価することができる事実の例
(1) 勤務を欠くことにより職務を遂行しなかった。
① 長期にわたり又は繰り返し勤務を欠いたり、勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた。
[例]
ア 連絡なしに出勤しなかったり、遅刻・早退をした。
イ 病気休暇や年次休暇が不承認となっているにもかかわらず、病気等を理由に出勤しなかった。
ウ 上司の指示を無視し、資料整理に従事するなどと称して出勤しなかった。
② 業務と関係ない用事で度々無断で長時間席を離れた(欠勤処理がなされていない場合でも勤務実績不良と評価され得る。)。
[例]
ア 事務室内を目的もなく歩き回り、自席に座っていることがほとんどなかった。
イ 勤務時間中に自席で又は席を外して職場外に長時間私用電話をした。
(2) 割り当てられた特定の業務を行わなかった。
[例]所属する係の所掌業務のうち、自分の好む業務のみを行い、他の命ぜられた業務を処理しなかった。
(3) 不完全な業務処理により職務遂行の実績があがらなかった。
① 業務のレベルや作業能率が著しく低かった。
[例]
ア 業務の成果物が著しく拙劣であった。
イ 事務処理数が職員の一般的な水準に比べ著しく劣った。
② 業務ミスを繰り返した。
[例] 計算業務を行うに当たって初歩的な計算誤りを繰り返した。
③ 業務を1人では完結できなかった。
[例] 他の職員と比べて窓口対応等でトラブルが多く、他の職員が処理せざるを得なかった。
④ 所定の業務処理を行わなかった。
[例]
ア 上司への業務報告を怠った。
イ 書類の提出期限を守らなかった。
ウ 業務日誌を作成しなかった。
(4) 業務上の重大な失策を犯した。
(5) 職務命令に違反したり、職務命令(規則第14条の受診命令を含む。)を拒否した。
(6) 上司等に対する暴力、暴言、誹謗中傷を繰り返した。
(7) 協調性に欠け、他の職員と度々トラブルを起こした。
なお、個々の例が規則第7条第1項第2号の勤務実績不良又は同条第3項の適格性欠如のいずれに該当するについては、諸般の要素を総合的に検討して判断する必要がある。
国家公務員法
第七十八条 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
一 人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合
二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
三 その他その官職に必要な適格性を欠く場合
最近のコメント